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Perfumeやその他の音楽なんかを思いつくままに
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CMタイアップ

2015年2月13日
SPRホールディングスの株主総会時に2015年度からの事業説明が行われた。
その中で、CEOのKは、創業140周年にあたる2016年を1つの目標点と捉えた「SPRグループ新経営構想」を発表した。

遡ること数ヶ月前…
「創業140年にふさわしい構想にしなくては…」
CEOのKは考え込んでいた。
現状からの積み上げ方式ではダメだ、2016年にグループがどうなっていたいのか具体的なビジョンを描いてそのための計画にしなければ。
経営戦略部門から上がってくる素案は自分の意図するものからはるかに離れたものだった。「全然ダメだ奴らは何をかんがえてるんだ、思い切ってあいつに任せてみるか…」

「S課長、CEOがお呼びだそうです」と部下から言われ
「え、CEOが、おれなんかミスしてたか?」
おどけ顏で返事をした彼は新規海外プロジェクトの事務局チーフを任されていた。
社内では敏腕課長として知られていたが、プライベートを知る友人からは
「敏腕、お前が? ○○ちゃん可愛い♥️、なんてアイドル歌手や女優のことしか言わないのに(笑)」と言われている。しかし、彼が注目する歌手や女優は実力も兼ね備えており評価も上昇傾向で、そういう意味でも「敏腕」なのかもしれなかった。

部屋にSを招き入れたCEOのKはこう切り出した。
「創業140年の2016年を目標とした新経営構想の素案を創ってもらいたい、ただし現状からの積み上げ方式はダメだよ、ビジョンから起こしてくれ」

「でもKさん、それなら経営戦略室が…」
「経営戦略室がダメだからお前に頼んでるんだろ、その辺察してくれよ」
「先輩がそこまで言うなら受けるしかありませんね、その代わり今のプロジェクトチーフは外して…」
「えっ、同時進行だよ、今回のことは特命なんだからさ。資料はお前が使ってるサーバーに落としておいたから、後で見てくれ。話はそれだけだ」
笑顔で言われてしまった。
高校の先輩で野球部の先輩でもあるKからこう言われては、もう苦笑いするしかない…
「わかりました、失礼します」
部屋を後にしたSはとりあえずやるしか無い、このことであった。

CEOのKに呼び出されてから2ヶ月後にはSは素案を仕上げた。
彼の勤めるSPRホールディングスは1876年に札幌で創業したビール製造会社を起源とし、その事業範囲は、主力のビールを含む酒類、食品、飲食、不動産と多岐に渡っており「潤いを創造し豊かさに貢献する」を経営理念に掲げ事業内容は「食と空間の二つの分野で、価値ある食品・サービスを提供する」としていた。

素案を一通り説明したSにKからダメ出しが来た。
「創業140年のインパクトが今ひとつなんだよな、他は問題無いと思う。あと2週間与えるから修正してくれ」
「わかりました、やってみます」
と言って部屋を後にしたSだが、
2週間て、明日からアメリカ出張で帰国は来週の今日だよ、実質1週間じゃん…、
がホンネであった。

マネージャーの村山は焦っていた。
Perfumeのマネージャーとしてメンバーとの信頼関係は山本には及ばないものの十分構築できた。と実感していた彼女に新しいミッションが大川部長から伝えられたのだ。
新しいタイアップスポンサーの開拓である。
今や所属するアミューズの稼ぎ頭の上位にあるPerfumeであるから様々な企業や団体からのオファーはひっきりなしであった。
しかし、全国展開しライブツアーのサポートまでカバーしてくれるメインスポンサーとなるとそう簡単ではなかった。そのメインスポンサーを開拓せよとの命令である。
2015年のライブスケジュールはすでに決まっており、その規模は全22公演のJPNツアーをしのぐ、全40公演を1年間にわたり行う世界ツアーであった。世界ツアーと言ってもそのうち25公演は日本国内であるからなおさらスポンサー探しのハードルは高かった。しかもPerfumeにとって結成15周年メジャーデビュー10周年の節目である。
なかでも地方都市の集客を確実にする必要があった。いくら全国区の知名度を持つといえどもファンの主力は東京を中心とした関東圏在住者であり、メンバーからの意思とはいえ北海道2日間公演は厳しいものがあった。
「エーザイさんの後を早く決めないと、もうすぐリミットなのに…」

CEOのKからダメ出しをもらった日の夜、親しい仲間との飲み会の席に顔を出した。Perfumeファンということで知り合った仲間同士ブログのハンドルネームで呼び合う仲間である。ごくごく一部を除き本名も職業も知らない。
「Mさん、明日からまた海外逃亡なんだって?」
こう茶化された。Sは仲間内ではハンドルネームのMで呼ばれている。
Perfumeファンということで親しくなった仲間であるが、元来の音楽ファンの集まりでもあり話はPerfume以外の話題やエンタメビジネス論まで多岐に渡りなかなかに面白いのであった。
そんな中、今夜の話題はPerfumeのCMスポンサーになった。
「もう大人なんだから化粧品とかさ」「やっぱりダンス魅せたいから4Kテレビでしょ」「のっちが免許とったんだからクルマ来そうだよね」「Perfumeを使いたい企業からすればメインターゲットの20代女性をね…」
とまあ百家争鳴状態になった。
そんな中、「今までは美味しいとかキレイとかのキーワード多かったけど、香り、ってあったっけ?」「香水そのものは無いね」
(そう言えば来年の春に出す新ジャンルのやつにグリーンアロマっていう香りを押しだした商品があったな。Perfumeも記念イヤーだし販促宣伝のやつにオファーしてるか聞いてみるか。)

翌日、Sは成田空港の出発ロビーから子会社のSPRビール販促宣伝部門の課長に出向している同期に昨夜思いついた件を電話できいてみた。過去KB麦酒がスポンサーをしていたこともありオファーしていないということだったので、アミューズに打診してみてはどうかと伝えた。そして彼は暗礁に乗り上げてしまったプロジェクトを解決すべくアメリカに旅立った。

村山が恵比寿にあるSPRビール本社を訪ねたのはぐるんぐるんツアーが終了した翌日だった。もう時間がなかった、2年前に同業のKB麦酒に大々的にスポンサードしてもらった立場から言えば引き受けてもらえるのはかなりの困難であることは分かっていたし、SPRビールもその辺りを考えてオファーを控えているとの情報も掴んでいた。
しかし、ダメ元でアポイントをとったのだ。

受付から商談個室に通され、挨拶もそこそこに村山は単刀直入に話を切り出した。
「なんとかスポンサーをお願いできないでしょうか?」
販促宣伝課長のTは「そうですか、当社の来春の新製品で香りを押しだした発泡酒があるのですがちょうどタイアップ先を探していたところなんですよ。」

「ぜひお願いします。Perfumeなら香りを打ち出すのにピッタリだし」と村山
「でも、ツアーのスポンサードもするとなるともうひとつ何か欲しいですね」とT
「御社は創業の地が札幌と伺っておりますし2016年は創業140年を迎えられるとか、Perfumeも記念イヤーですし、今まで1日公演だった札幌公演を2日間開催にするんです。その辺りをお互いに打ち出すということでいかがでしょう?」
「なるほど、そこまで考えておられるなら前向きに検討してみます」
手応えはあった、加藤さんのアドバイスは凄いな。
さすが吉高由里子さんを国民的女優に押し上げた人は違う。
村山は帰社してすぐに部長の大川に報告した。
「やったね、むーちゃん! 細いところの詰めもたのんだわよ」
小柄な大川が飛び上がらんばかりに喜んでくれた。

CMの詳細やタイアップ曲に関する中田ヤスタカとの打ち合わせも順調だった。
しかし、発表日の3月9日まで情報は関係者以外には秘匿された。
そして迎えた3月9日、SPRビールは多数のマスコミ関係者を招いてCM発表会を開催した。もちろんPerfume本人も当然出席して記者からの質問に丁寧に答えていった。
CM発表に合わせてタイアップナンバーを含む新譜の発売も告知され、Perfumeファンは歓喜の渦だった。

1週間という短期のアメリカ出張のさなかにSはPerfumeのCMタイアップと新譜発売の報を聞いた。
昨年の秋、アメリカに発つ前に話しておいた件は帰国後にTから聞き、新経営構想もPerfumeタイアップの項目を入れ込んで再提出し、CEOのKからOKをもらった。
その後はプロジェクトが大変な局面に陥り修復が済んだのは1月下旬だった。
とてもPerfumeの CMタイアップを喜ぶどころではなかったのである。

しかし、PerfumeのCMタイアップに自分が関与していたことは誰にも話すつもりはなかった。それはビジネスマンとしての自分の矜恃だから。

かっこいいねさすが敏腕課長!

本日発表になったPerfumeのCMタイアップにこんな背景があった、かどうかはわかりませんが、お得意の妄想で駄話をでっち上げてみました。
これは、もちろん全くのフィクションで登場する人物及び組織は(似たような名前だけど)実在しないことを明記しておきます。(笑)

最後まで読んでくれた奇特な方はいないと思いますが、お付き合いありがとうございました。









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[ 2015/03/09 21:23 ] 妄想 | TB(0) | CM(0)
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yajioshow

Author:yajioshow
Perfumeに出会ったことが人生最大の衝撃!
まさにターニングポイント。ターンした後の余生がどれだけあるかわかりませんがPerfumeを主に好きなことを勝手に綴って参りたいと思っています。